身近な方との別れが続く昨今。
亡くなった友人から、思いがけなく手紙が届いた。
末期(まつご)が近いかもしれない病気になってしまった場合、やはりその先に待つものを、残された時間を、考えない人はいない。
体調の波に、克服できるのかもと一喜一憂したり、奇跡の訪れに至上の幸福を味わったり、底知れぬ絶望に苛まれたり。
その波の繰り返しの果てに、未知なる世界への旅立ちを、本人も周りも覚悟する。
本当は、魂の旅においては幾度となく経験してきているはずの旅立ちだけれど、ほとんどの場合は忘れて生まれてきてるから、未知すぎて不安になる。
いざ旅立ちのときに、導きの天使や愛する家族、友人がお迎えに来てくれたのを見て、安堵と喜びに包まれるのかな。
愛するものとの別れは辛い。
特にニンゲンとは時間の速度が違う動物は、大抵ニンゲンより短い一生を送るでしょ。
幸いにも高齢まで生きられても、別れの時は必ずくるわけで。
体調を崩した愛する家族と、もうすぐ別れないといけないのかと覚悟する時、悲しみで胸が張り裂けてしまいそう。
だけれども、この別れには、出会ってから今日までの至上の喜びと幸せがパンパンに詰まっていて、その最高の時間があったからこそ、このお別れを迎えるわけで。
出会った時から別れは決まっているんだもんね。
出会ったからには、別れへのカウントダウンは始まっているんだもんね。
楽しかった時間はあっという間。
どんなに長生きしてくれても、あっという間。
その愛おしすぎる出会い、ありがたすぎるご縁に感謝しながら、最後の時までただ共に生きるのみ。
一分一秒、感謝しながら。愛しながら。
その別れの先に、また新たな出会いが待っているのも、人生の旅。