そんな毎日を送っていたある日、キーちゃんのお鼻から、赤黒い玉のようなものがちょっと飛び出しているのをみっけてしまいました。
しかもなんかツルッとした丸い半円が見えているんです。
鼻血の塊であってほしいと思いましたし、そう思ったんでちょっとペーパーで引っ張るように拭いてみたんですけど、どうも取れない。
でもその日はいつの間にかなくなったんです。
で、大きなハナンチョか何かが取れたのかなって思ったら、次の日また出てるんです。
うーん。先生のところに相談に行く。
キーちゃんはここのところの病院通いで、病院を本当に嫌がっていたので捕まえられず、親方一人です。
鼻血の塊でも息ふさがったら苦しいから、なんとか取ってあげてと。
でもやっぱり取れない。
そうこうするうちに、その日も日曜だったので午後休診となってしまう。
どうしてもなんかおかしいし、気になる訳です。
天袋で爺に捕まえられないようにしていたキーちゃんを、マタタビでおびき出してキャリーにお入りいただく(もちろん後で大謝りしましたとも。でもその後しばらく、あんなに大好きだったマタタビに反応しなくなりました。二度とダマシ作戦には使いませんでしたけど、猫は忘れない・・・ごめん・・・)。
この時点では、まだ休診でも当番の先生がいるって聞いていなかったので、またまた坂の上の獣医さんに駆け込む。
で、先生も「鼻血の塊なら取ってしまいましょう」ってピンセットを持ってこられ・・・これも本当に可哀想なんですけど、その玉を思いっきり引っ張ったんです。
でも、取れないんですよ(涙)
「ん?」「ん?」って先生。
ヒー見ているこっちまでシンドイ(涙)
しばらく検分してからピンセットを置き、「・・・これ、できもんですね」って。
横にいたベテラン看護師さんが、「ハナタケみたいだね〜」と。
できもん・・・鼻茸・・・!?
やっぱり腫瘍だったの!?(涙)
この時の衝撃ったらないですワ。
力石徹のカウンターでも喰らったような気持ち。
で、坂の上の病院系列のセンターに行ってCT取るか、主治医の先生のとこで大学病院を紹介してもらうか、とにかく今後どちらを主治医にするか決めてってことや、センターのことなどの説明を受けました。
この日は夜に大好きな祖母の7回忌があったんですけど、それどころではなくなりました。ま、祖母ならわかってくれますんで、欠席なんてそんなこと気にしない。
季節は6月末。
ゲリラ雷雨襲来で、病院の待合でしばらく待ったけど、一向に止む気配もないので、少し雨足が弱まったのをきっかけに、傘でキーちゃんキャリーを覆って、親方は洪水のような坂をジャブジャブ歩いて帰りました。
家に着いた頃、親方の心とは対照的な、見事な青空が広がっておりました。
世間は何事もなく日常が繰り広げられていて、親方だけ時間が止まっているような感じもあり。
でもなんでしょうね、まだショーゲキのあおりを受けてボーゼンともしているんですけど、どこか冷静に受け止めていましたね。
現実だから受け止めるしかないですしね。
何よりもキーちゃんがここにいる。
キーちゃんと一緒なら、どこにでも進んでいけるんですよ、親方は。
さ〜怒涛の進軍が始まる〜。