我が家にはキーちゃんという、愛しくて愛しくて強くて立派でスーパーハンサムな茶トラの男の子がいました。
ほとんどの獣医さんが診断できないキーちゃんの珍しい病気を認知していただく一助にとブログを始めてから数年が経ちましたので、ここらで一度キーちゃんのニャン生を振り返っておきます。
違う病気の方でも、キーちゃんという男の生き様から勇気をもらえたり(親方はキーちゃんから数知れぬ勇気をもらいました)、辛い闘病生活の中にもほっこりした幸せや光を見出していただけたり、肉体が亡くなってからの悲しみが少しでも和らぐことがあれば・・・と。
まずは、出会いから一緒に暮らし始めて楽しすぎて濃厚な月日、こんなこともあった、あんなこともあったというダイジェストから、再編集や加筆修正などしてお送りします。
(サボりではありません😜 新しい記事も折々挟んでまいりまっせ〜)。
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『出会い〜命名編』過去記事+加筆+New写真です。
その頃(2012年当時)、親方は猫と暮らせない事情があって、空き地に集う地域猫ちゃんに毎日のように会いに行っていました(猫欲への餓え(かつえ)笑)。
人んちに入りたくてたまらないキジシロのタビちゃんや、シャイなボッテにゃん、ハチワレで高齢のおばあちゃん猫などと交流するのが楽しみで・・・もう猫と暮らしたい気分が最高潮!
そう、まさにNNNの格好の餌食!・・・NNNをご存じない方はお調べください。
そんな9月初旬のまだ暑ーい晩、仕事から帰ってくると、その空き地の隣の草むらに、今まで見たことのない茶色の子猫がいるではありませんの!!
(草むらには入っていけないので、遠巻きに発見)
まだ2ヶ月くらいかな。
短い鍵尻尾で、猫雑誌を飾るような可愛い『THE子猫♡』って顔は全然していない(笑)
その子は戸惑うボッテにゃんを相手にコロンパタン甘えて遊んでいて、いつでもスターでいたいタビちゃん王子はといえば、塀の上からしらっと眺めている・・・。
子猫と来ましたか・・・
でも今猫を迎えられる状況にない・・・どうする?
もしかしたらお母さんが側にいるかもしれないし、誰かのうちの猫ちゃんかもしれないし、ボランティアさんが入っている場所なので勝手には連れ去れないし・・・と言い訳半分、でもでも、もし明日もこの子がいたら連れ帰っちゃおう!と心に決めた親方、猫と暮らせない事情の方をぶっ壊して行くしかないでありますヨ(笑)
でも次の日からその子の姿を見ることはしばらくなくて、ちょっと安心するやら、気になるやら、ひと月余りが過ぎました。
そんなある日のこと、タビちゃんに会いに行った帰り、空き地とは離れた場所にある水路横の茂みから、突然子猫が顔を出して、親方目掛けて必死に鳴き出しました!
ンニャー‼ ンニャー‼
あの子だー!!!♪───O(≧∇≦)O────♪
短い尻尾は茂みに隠れて見えないけど、この大人びた顔は間違いない。
通りすがりの他のおばさんやらが次々に立ち止まって話しかけても、一切見向きもせず、一心不乱に真っ直ぐ親方だけを見つめて必死に鳴いている!(胸打たれる😭)
その時猫ご飯として持っていたのは、キビナゴの干したものだけ。
子猫には堅いよね〜とは思ったものの、とにかくキビナゴを少しあげている間に、やわらかいご飯を買いに走る!
走るよ!!
一番近い100円ローソンでウェット(その場で食べられるようにプラスチック容器のもの)をゲットし急いで戻ると、がーん、またもや子猫がいない・・・
ちょっと辺りを探すと・・・離れた茂みから「ンニャー!!!ここですっ!!ここですっっっ!!!」。
ガツガツガツガツガツ。
さて、ではいざ連れて行けるかというと、こんなに必死に親方を求めてくれる割には、手を伸ばすと後ろに下がって「シャー」。
おいで〜
シャシャー!!
うむうむ、こんなおチビが地域猫チームにも入れてもらえず、一人で頑張って生きてきたんだもん、全身これ警戒心、さもありなん、さもありなん。
茂みの奥で切なそうにずっと「ニャーニャー、行かないでー」と鳴いている割に、どうトライしても捕まえられない・・・絶対触らせてくれない、けど、離れないで呼び続ける、けど手を伸ばすとシャー・・・切ない無限ループ😭
小雨も降ってきてますます切ない中、後ろ髪引かれまくりながらひとまず帰宅(小雨くらいなら茂みの下は濡れません)。
お持ち帰りカバン持って会いに行けどもう会えず、夜も見に行けど会えず。
翌日からご飯を持って朝晩探し歩けど会えず・・・また2週間ばかし会えない日が続く・・・
しかしながら、この邂逅の翌日、子猫君の名前は決定しました。
堅いキビナゴを一生懸命かじっていた君よ、
初めて見かけた時にキビナゴみたいに小っちゃかった君よ(キビナゴサイズの猫なんていやしませんけど)、
君の名は・・・
キビちゃんだっ!
海のお魚を愛する親方ならではの、キーちゃんになぁんの相談もない一方的な命名です(笑)
おまたは見てないけど、男の子だと確信してました、はい。
またまたそんなある日、前を歩くおじさんが連れていた子犬に、いきなり小躍りするようにじゃれかかって飛び出してきたキーちゃん♡
こっちが小躍りしてカリカリをあげる(←常に携帯)。
そこからキーちゃんとはちょいちょい会うように。
彼はいつもひらりと突然目の前に登場しました。
風に舞う葉っぱを追いかけたり、いつもいっつも楽しそうでした。
程なくして、遠方の姉(以下シス)に応援を頼み、捕獲大作戦(キビナゴ漁)を試みるも、またもや失敗に終わり・・・。
でもその日は寝床が判明したり、水飲み場が判明したり(キチャナイたまり水)、とにかく至るところでキーちゃんに会った1日だったのです(本当は捕まりたかったくせに〜)。
シスに首根っこを捉まれそうになって、きゃーってちょっと逃げて、あとは悠々と「ふー危なかったぜー」って、後ろを振り返りながら、短い尻尾とモフ尻をプリプリさせて歩いて行った後ろ姿がなんとも可愛くて、今でも目にも心にも焼き付いております。
でね!
その翌朝早く(日が昇る前)に朝ごはんを持って行ったら、なんとキーちゃんが待っていてくれたんですよ!
探している親方に、にゃ〜、ここ〜って。
でもご飯は食べるけど、まだ触らせないよ、一人で生きて来た子猫なめんなよ。
こうして毎日早朝のお勤めが始まりました。
とにかく一口ごとにビクッとして左右を警戒しながら食べるので、まあ時間がかかりますことかかりますこと。
30分くらいご飯食べるのにかかるの。
3日目には親方が誘う枝でチョイチョイ遊ぶようになりました(まだ触らせないよ)。
そして4日目に、キーちゃんのご飯を狙う太郎がやってきたら、キーちゃんが突然茂みから飛んで出てきて、親方の足に全身ですりすりし始めて、「このヒト僕のだし、このご飯僕のだし」って太郎にくねくねと見せつけだしたのですー!
ヒー感激。
太郎ちゃん!! いい仕事してくれてありがとう!!!
キーちゃんは一人の時は太郎に襲われていたこともあったけど、親方といる時はそれはもう余裕って顔して、偉そうにしてましたよ。
ひよこの威を借る猫。
余談ながら太郎ちゃんも賢い子で、キーちゃんをいじめたりご飯を横取りしなかったら、キーちゃんの後にご飯あげるからねって一度言ってからは、キーちゃんのご飯が終わるまでいつも待っていました。
とにかく、その瞬間を境に、キーちゃんはもう大甘えの甘えたさんへと大変貌❤︎
いわゆる猫化けです、化けスイッチです♬
親方の足にしがみついて思いっきり遊んだり(100%もれなく爪は出してくれます)、出かける途中に親方を見つけると追いかけてくるようになったので、いよいよおうちに連れて行くもといご招待することに決めたのでありました(実は既に家の中は準備万端に整え済😆)。
お待たせしました、いよいよおうちに入ります。
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2020年現在、今はもうここに登場するお外の猫ちゃんたちは誰一人いません。
あ、キーちゃんですらこの世にいないもんね😹
当時を懐かしく懐かしく愛おしく愛おしく思い返しています。
ブコメ全て拝見しています、ありがとうございます。