供血猫さんは、何匹かいる病院の猫さんでした。
この猫さんたちは、もともと病院前で捨てられていて、里親がつかなかった子たちだそうです。
アナゴちゃんとかわかめちゃんとか、海のお仲間の名前がついているのも、キビナゴキーちゃんとの運命を感じました(笑)
アナゴちゃんたちにも、そして先人のミミコちゃんにも心から感謝。
ミミコちゃん、手術して7ヶ月生きられたと。
人間なら28ケ月ですよ。2年以上ですよ。
キーちゃんもたとえ7ケ月だけだとしても再発しないなら、この現状を打破して7ヶ月も生きられるなら、それだけでも御の字すぎると思えました(もちろん全く再発しないこと、7ヶ月以上生きることを目標にしていましたが)。
時間になり、手術前の検査結果をききにいきました。
クロスマッチテストも無事クリア。キーちゃんは血液型A型でした(猫さんはAとBしかないんですって)。
そしてなんとも嬉しいことに、お鼻を開かないでも手術ができるって結果でした(お口の中を切開してお鼻の裏を攻めます。上顎の硬い骨のある部分=硬口蓋から、喉の方の柔らかい部分=軟口蓋にかけて切開します)。
お鼻開くのとどっちが大変かわからないけど、でも粘膜って再生が早いし、やっぱりお鼻開かないで済むのは先生も良かったっていってらしたし。
神様ありがとうございます!!!
そしていよいよ手術が始まったのは、夕方の5時過ぎでした(病院には朝一に行っています)。
そこからはひたすら待合で祈りながら待つわけです。あ、ご飯も食べましたけどね、もう先生を信じて待つしかないわけです。
ワカクネーノさんは先に帰られました。
親方は待合に泊めていただき、そこから翌日出勤します。
本当にこの病院のラッキーだったところは数知れずですが、例えば普通の病院だったら、待合に泊めていただけたりしませんよね。
そして勤務医の病院だったら、時間で区切られると思うんです。
でも先生は、何時間もかかる手術を、夕方の5時からでも即日執り行ってくださいました。
待合の音楽は一生耳から離れないでしょう、いつでも口ずさめますよ(笑)
そしてソファーで寝転がっている親方のところへ、先生が「手術終わりましたよ」って出てきてくださったのが、午後11時回ってましたね。実に6時間以上に及んだ大手術となりました。
結果は、無事成功!です!
とりあえず引き抜いたもの見ますかって、見せられたポリープの数、実に20片あまり。大きさと量が尋常ではありませず、先生もびっくりされていました。
(メールで報告を受けたY主治医も、写真見て、猫ちゃんの顔の容量から考えて、あれだけのものが入っていたとは信じられないとおっしゃった程の量です。相変わらずスケールの大きい男ですよ)。
「キビちゃんももう目覚めていますが、麻酔が切れるまで2時間くらい待ってくださいね」って言われて。
もうね、「麻酔から無事覚めてます」の言葉ほど安心する言葉はないくらいですよ。何度も書いてすみませんが。
その後は後片付けの音や、キーちゃんの手術でお待たせしていたわんちゃん・猫ちゃんに晩ご飯をあげる音などが、慌ただしく聞こえていました。
そしてようやく親方が呼ばれたのは、深夜の1時40分頃でした。
目覚めたけどぼーっとしているキーちゃんに、酸素室のガラス越しに会えました。
アナゴちゃんの血液を輸血したので、アナゴとキビナゴのハイブリッドキーちゃん誕生です。
生きているキーちゃんの姿を見てなんと安堵したことか。言葉にはなりません。
キーちゃんが親方に気づいて、起きようとしています。
扉を開けていいよっておっしゃるので、しばし喜びの再会とねぎらいと賛辞を浴びせる。
キーちゃんは気管を切開されていて管で呼吸しているので、鳴いても声は出ません。でも「爺ちゃん、爺ちゃん」って鳴いていましたよ。
よろよろって立ち上がって親方の腕に乗ろうとするので、負担になるので扉は閉めましたが、そのお顔、お鼻がちっちゃくなってるんです(涙)
お鼻がちっちゃくなってポリープがなくなっているんですよおおお。
先生も一緒に覗きこみながら、「お鼻元通りになりましたね」って(涙)
術前は通常の猫さんの鼻の穴の3倍の大きさになっていたキーちゃんのお鼻が・・・
お鼻連呼しすぎ・笑
(あ、そういえばね、Y主治医がレーザーしてくださったときに、キーちゃんハナクロなもんで、ポリープと同じ色なもんで、境がわからなかったんでしょうね、一部右っ鼻の先が欠けちゃってるんです。ま、そんくらい、どってことないです)
美男子ぶりは健在です。
先生も喜んでくださいました。
先生、看護師様(先生の奥様と助手さん)、夜遅くまで本当に本当にありがとうございました。
翌朝もキーちゃんのお顔を見てから出勤。
この日と翌日は休診日ですので、明日はお見舞いなしです(寂しいけど、成功したので耐えられます)。
休診日といっても来患がないだけで、先生は入院の子の治療をしてくださいます。入院していれば安心安心(といっても、ほんとは容体が急変しないかと心配しまくりですけど)。
はー!
この時の喜び、嬉しさ、高揚感を伴う安堵と最高の幸せ。
今もまざまざと甦ります!