その頃、親方は猫と暮らせない事情があって、空き地に集う地域猫ちゃんに毎日のように会いに行っていました。
人んちに入りたくてたまらないキジシロのタビちゃんや、シャイなボッテにゃん、ハチワレで高齢のおばあちゃん猫などと交流するのが楽しみで・・・もう猫と暮らしたい気分が最高潮!
NNNの格好の餌食(笑)・・・NNNをご存じない方はお調べください。
そんな9月のまだ暑ーい晩、仕事から帰ってくると、その空き地の隣の草むらに、今まで見たことのない茶色の子猫がいるではありませんの!!
(草むらには入っていけないので、遠巻きに発見)
まだ2ヶ月くらいかな。
短い鍵尻尾で、猫雑誌を飾るような可愛い『THE子猫♡』って顔は全然していない(笑)
その子は戸惑うボッテにゃんを相手にコロンパタン甘えて遊んでいて、いつでもスターでいたいタビちゃんはといえば、塀の上からしらっと眺めている・・・。
子猫と来ましたか・・・
でも今猫を迎えられる状況にない・・・どうする?
もしかしたらお母さんが側にいるかもしれないし、誰かのうちの猫ちゃんかもしれないし、ボランティアさんが入っている場所なので勝手には連れ去れないし・・・と言い訳半分、でもでも、もし明日もこの子がいたら連れ帰っちゃおう!と心に決めた親方、猫と暮らせない事情の方をぶっ壊して行くしかないでありますヨ(笑)
でも次の日からその子の姿を見ることはしばらくなくて、ちょっと安心するやら、気になるやら、ひと月余りが過ぎました。
そんなある日のこと、タビちゃんに会いに行った帰り、空き地とは少し離れた水路横の茂みから、突然子猫が顔を出して、親方目掛けて必死に鳴き出した!
ンニャー‼ ンニャー‼
あの子だー!!
短い尻尾は茂みに隠れて見えないけど、この大人びた顔は間違いない。
通りすがりの他のおばさんやらが次々に立ち止まって話しかけても、見向きもせず、一心不乱に真っ直ぐ親方だけを見つめて必死に鳴いている!(胸打たれる)
その時持っていたのは、キビナゴの干したもの。
子猫には堅いじゃろ、とは思ったものの、とにかくキビナゴをあげている間に、やわらかいご飯を買いに走る!