さてさて、今日は胃ろうの話をさせていただきます。
まずキーちゃんが胃ろうになったことをY主治医に報告すると、とても喜ばれました。
これで栄養をきちんと摂れるから、きびちゃんの体にとっていいことですね!って。
犬猫の胃ろうって結構多くって(って獣医さん基準だからでしょうけど)、特にわんちゃんは多いですよーって。
事故や病気、あるいは口内炎の酷い子などでも、胃ろうで一時的に栄養を補給することもあると。
(以前の記事で書きました通り、まあまあ「先輩」は多いんです。皆様の闘病はとても心励まされました)。
Y主治医がいとも簡単に喜んでくださり「胃ろう管理のことなら任せてくださいー」と仰ってくださったんで、ホント気が楽になりました。
研究医である専門医が神なら、臨床医であるホームドクターはさしずめ空也上人か一遍上人といったところでしょうか!
胃ろう=寝たきりとか、胃ろう=末期ってイメージがありません?
親方はまずシステムも理解していなかったですし、勝手に「胃ろうになったらどこかチューブにつながれっぱなしで、もう寝たきりになるのかな」ってボヤボヤンて思っちゃっていました。
でも、それって単に人間の寝たきりのご高齢者からくるイメージだと思うのです(語弊ありませんか?大丈夫ですかね?)。
私もよくキーちゃんが胃ろうになったっていうと、周りの方々にそう思われていました。
それがね、良い方だからでしょうが「すっごくかわいそうに」って風な方もいましたし、なんというか「胃ろうまでして生かしてるの」的な反応の方もいましたね。
確かにね、うちも祖母が入院した時、お向かいの集合部屋でたくさんそのようなご高齢者さんをお見かけしましたし、看護師さんに「胃ろうしちゃうとシネナイノ・・・」と言われました。
なので我が家は、寝たきりになっても胃ろうしないでねって言い合っております。
でも、それは寝たきりの方に胃ろうしているだけのことで、胃ろうそのものは全然ですよ、胃ろうしているから末期ということでは全然ありませんし、若くてもご事情あって口からお食事を召し上がれない方も胃ろうされています。
むしろ、そういう方のためにこそ存在している処置なんだと分かりました。
人間さんだとボタン式っていうのもあるようですが、犬猫の場合は、チューブを胃に装着するだけで体は普通に動きますし、普通に日常生活を送れます。
チューブは15〜20センチくらい体の外に出ていますが、チューブをしまうポケットつきのお洋服を着るので走り回ることもできます!
トイレダッシュもできるし、キーちゃんなんて給餌中にチューブの蓋もあけたままブランブランさせてすっ飛んでったりしてね(←良い子は絶対に真似してはいけません)。
ダッシュする時はそのままチューブを持っていると胃ろうが胃からズボッと抜けてしまうので、アブナイから離します。
以前、胃ろうと食道ろうの話も書きますといいましたが、どちらにも良い点もありますが、S専門医やY主治医は胃ろうの方が管理が楽とおっしゃっていました。
食道ろうの場合は、抜去がすぐできるので、短期間の時は手軽にそちらをされることもあるようです。胃ろうチューブの場合は、設置後2週間は抜去できません。
(お鼻カテーテルもありますが、こちらはもっとチューブも細くてそれこそ一時的です)。
チューブ給餌の比較についてはこちらにも書かれています↓
このような栄養チューブによる栄養摂取や「延命」については人によって考え方は様々ですが、この下に挙げた記事を読むといい獣医さんだなぁと思います。
ひとみ動物病院 - 「延命の定義とは…」 今週残念なことがありました。... | Facebook
犬や猫の場合、獣医さんの考えにもよると思いますが、僕としては「体は比較的健康で意識もはっきりしているけど、理由により食事がとれない」時を適応と考えております。
私もそう思います。
キーちゃんも点滴で静脈から栄養入れていましたが、あくまでもそちらからの栄養補給は一時的な措置であり、短期間のものとなります。
こんな記事もご参考に。
もし、愛猫(愛犬)が胃ろうチューブ設置しないとって急に言われてオロオロしたら、親方にご相談ください!笑
最初は管理とかビビると思いますけど、大丈夫、オロオロ無用です!
ざっと書くと、することってこんな感じです。
チューブが入っている箇所の朝晩の消毒と、チューブの消毒(皮膚はイソジン、器具はアルコール綿で消毒しました)。
装着箇所からからどうしても体液が滲んでくるため、朝晩のガーゼ交換(時間のある時にこのガーゼを大量にこしらえておく)。
1ヶ月に一回くらい、装着箇所の周りの毛を病院で剃ってもらう。
胃ろうを入れている穴の周りにちょっとご飯がにじんで出ていたりして、それがこびりつくと皮膚が炎症を起こしてしまうので、時々ぬるま湯をかけて洗いました。
こういった胃ろう関連のノウハウは、Y主治医から沢山いただきました。
使用するご飯についてはこの後に書きますが、入れ方は、チューブについてるレバーを開ける方向に回し、蓋を開け、チューブと胃の中の空気をシリンジでまず抜いて(これ最初聞いてなかったんで空気も一緒に入ってお腹パンパンになっちゃったかと)、チューブを高めの位置にして温めた流動食をシリンジで入れて、最後にぬるま湯も入れてチューブも洗って、必要であればお薬やお水もそこから入れて、栓を閉めてチューブを綺麗にして、くるくるっとポケットにしまって、はいおしまい。
元気な若猫の場合、その間じっとしていてくれないと困っちゃうんですけどね。
キーちゃんも最初はウロウロしようとしたり、お口から欲しくて大変でしたけど(ちょっとだけ舐めさせてあげてました)、そのうちお腹すくとご飯入れてってうずくまって背中向けて、胃ろうをしやすいポーズをとるようになりましたよ。
賢い男なもんでね、えらい子ですこと。