先生はとにかく調べに調べ、フラップを行うしか道がないと判断されました。
お口の穴をふさいで、退院できるようになるまで病院で預かること、そして料金はここまでのある一定の額だけで面倒見てくださることを提案されました。
親方はフラップの怖さを聞いていたのと、出血が大量になるかもしれないこともあり、もしかして二度と帰れないかもしれないとよぎりました。
できることならキーちゃんを連れて家に逃げ帰りたかったですね。
でも上顎に大きな穴が開いていてご飯が食べられないキーちゃんを連れ帰って、何ができるでしょうか。
禿げそうになるくらいわからなかったです。
先生はチュールで生きるには1日どのくらい必要かも計算してくれていた程です。
確か17本だったかと。
1本1時間かけてなめさせているのに、実質不可能ですね。
悩み抜いて悩み抜いて一生分?悩み尽くしましたわ。
そして天の神様と、神の手を持つこの世の「神」にお任せすることにしました。
これで命が終わるなら、それは運命。
8月に亡くなっていたことを思えば、今はご褒美の延長戦。
それで、先生は手術をすることに決められました。
ところが、なんとね、土壇場でそのフラップをするための特殊の糸がなかったことが判明したんです!
この時はもう覚悟決めてたんであららって拍子抜けしましたけど、糸が数日以上取り寄せられないのでしばらく延期となったんです。
本心ではこの手術は避けたかったので、ひとまずほっとしました。これ、実は天のお計らいでしたね。
でも術後8日経ち、これ以上ご飯を食べられないのは限界なので、胃ろうの手術を先にします!と言われました。
この時点では胃ろうの手術は、お口が塞がって自分でご飯を食べられるようになるまでの一時的措置の予定でした。
そして親方のお休みに急遽胃ろうの手術をすることになりました。
午前中に少しは食べていたので、麻酔に備えてお腹を空腹にするため、手術は夕方に行うことになりました。
胃ろうの手術は簡単ですぐ終わりますよと(といっても会えるまで3時間くらいでしたかね)。
親方はその晩も泊まることになったので、夕方に備えて一旦うちに帰り、泊まる支度を整え&お風呂に入ってまた病院に戻りました。とんぼがえりでカラスの行水でも5時間半はかかりますから大急ぎ。
親方の到着を待ってからの手術ですから大急ぎ。
でもね、なんとね、そこでまたまた問題が発生してしまいました。
なんと、お口の穴の中から、後鼻腔内に何やら白っぽいものが見えたんです。
ドッキーン❗
先生はそれがチュールとか食べかすの何かの可能性もあるとはおっしゃって、とにかくそれを手術中に確認し、もしポリープなら引き抜くということになりました。
どうですか、韓流ドラマ並みの展開ではありませんこと?
胃ろうの手術は問題なく終わりました。
キーちゃんはエリザベスカラーと術衣姿で親方と面会(今までカラーはしなかったんですけど、点滴の管をかじるようになったんでカラーつけられちゃった。長いこと点滴してるから痛いし邪魔だよね・涙)。
結構元気でホッとしましたよ。
それにしても強靭なキーちゃん。
どんだけ麻酔に耐えてくれているの(涙)
ただ・・・
やはりポリープが早くも再発していたそうで、麻酔中にいくつか引き抜いてくださいました。
チーン。アルゴンプラズマ敗れたり。あっさり敗れたり。
そして深夜に「話がある」と先生に呼ばれました。
お口の傷の開き方が、傷がくっつかないだけなら左右均等に開いて行くはずが、片一方に大きく引っ張られる形で広がっていくからおかしいなとは思ってたら、やはりそちらにポリープが出来ていたと。
で、ポリープが再発した以上、お口を塞ぐのは意味がない(塞いでもまた前回みたいになっちゃいますからね)。
そして胃ろうになったからには栄養が取れるので、窒息しなければしばらくはそのまま生きていける。
胃ろうで自宅に帰るか、あくまでも治療を続けて完治とフラップを目指すか(その場合はS専門医を主治医に変える)、選択してほしい、と。
え?
え?
展開がいきなりすぎて、混乱。
親方はまずうろたえました。
皆さんの胃ろうのイメージって、どうですか?
親方は、キーちゃんが胃ろうになったら、寝たっきりみたいに暮らさないといけないのかなって思ってました。
でも、ぜーんぜん違います(これ次で詳しく説明しますね)。
まるきり普通の生活ができますよと。
仕事して留守が多いですけど大丈夫ですか?って聞いても、胃ろうチューブさえ引っかからないようにすれば、全然問題ないですよ、って。
親方は、それならもうキーちゃんを自宅に連れ帰りたいと言いました。
もうまた再発しちゃったんだから、次の手術はしないと告げました。
先生も治ると思ってたし、親方も治ると思ったからこんな大手術を二回もしちゃったけど、アルゴンプラズマも効かないなら、もうすべきことは誰にもわからないんです。
だったら自宅であとは静かに暮らしたいでしょ。
それにたとえフラップとかなんだかんだがなくったって、S専門医を主治医にするにはあんまりにも遠すぎますだよ。
こうして、あれよあれよとキーちゃんは胃ろうになり、でもそのおかげで思いがけずお家に帰れる目処が立ったんです!
日付が変わって、なんと親方の誕生日になっていました〜!
どうですか、ほらほら、韓流ドラマ顔負けでしょ。
病院のソファーでライトダウン着ながら寝た誕生日(秋だから結構寒い)。
再発しまくりだけど(哀)、自宅に帰れることが決まったんですよ!(祝)
最高の誕生日プレゼントでしょ。
泣けましたワ。いろんな意味でね。