病気の子には時間がないので、できるだけサクサク更新したいと思っています。
人間も動物もガンになります。
動物はガンにならなくてもいいのにって常々思いますが、現代の環境やフード問題もあるでしょうし、医療の進歩や室内飼いによる長寿高齢化時代ですので、その分病気が増えて行くのも世の常ですね。
ガンの話も猫のお鼻を例にあげますと・・・
猫の鼻のガンで多いのが、リンパ腫、そして次に腺ガン。ぴんのすけくんは扁平上皮癌ですが、割合としては高くないそうです(皮膚ガンのメラノーマがお鼻にできることもありますね)。
流れとしては、まずお鼻の検査で採取された細胞や組織を病理検査に出して確定診断していただく。
この時、もし院内の顕微鏡だけの判断の場合、必ず外部に出して病理検査していただくこと。通常はお医者さんの方から外部の病理検査に出してくださいますが、中にはお願いしないと出してくださらないお医者さんもいらしたようなので、ここで必ず出してもらってください。
その診断がないと先に進めません。
ただ、ストローでの粘膜採取での検査って1滴だそうなので、診断の正確さは7-8割くらいだそう。
より確実な結果は組織を採取しての検査(お鼻の内視鏡がある先生じゃないと出来ないかな、すでにストロー生検したあとなら、CT取る時に採取してもらうといいですね)。
ちなみにキーちゃんは、ものすごく機転がきいて腕のいい街の獣医さんによって、普通は胃に入れる内視鏡を喉から後鼻腔に向けて入れていただけて、できものをいくつかとることができました。
あとで専門医や他の獣医さんにこの話をすると、「すごい!上手な先生なんですね」って言われ、改めて何度でも感謝しました。
主治医の先生は親方の感謝だけでも天の蔵が溢れてるので、他の患者さんの感謝も入れたらビルゲイツより大金持ちでしょう(天国の通貨は感謝です🍀)。
はい、話戻します。
で、とにかく診断が確定すると、その後どう治療するかによって進む道が変わります。
悪性腫瘍の場合、ガンの種類によって治療法の提案も変わりますが、治療を望むなら、どこまで広がってるかとか転移はあるかなどなど調べないといけないので、CT(MRIも一緒にしてくれるところがいいです)を撮る。
腫瘍の広がり具合、悪性度合い、浸潤度合い、ガンによっては転移などの病気の状況と、あとは本人が何歳か、他に病気があるか、そして何と言っても人間家族の考え方によって選択肢は変わっていきますね。
西洋医学的なアプローチなら、リンパ腫は抗がん剤が効きますよ〜とか、腺がんなら放射線治療ですよ〜とか、その子その子にあった治療法を提案されるでしょう。
猫のお鼻は基本的には手術は難しいそうですが(浸潤具合にもよるのでしょうが)、先生によっては手術と抗がん剤とか、手術と放射線とかのご提案もあるかもしれません。
例えばこんな感じのことが、ガンの種類によって先生から説明されます。
腫瘍 | 症例紹介 | 診療案内 | 三重動物医療センター なるかわ動物病院
ただし、西洋医学の積極的なアプローチは、動物の体が非常にしんどい、非常に負担がかかるということを忘れてはならないですね。
その治療によって命を縮める子も大変多いです。
その子自体の免疫力が全て奪われると考えて良いと思います。
当然体力も食欲も落ちます。
放射線はするたびに全身麻酔ですし、抗がん剤は人間もそうですが副作用も強いですね。
また、放射線は行っているところが限られているので、通えるかどうかの問題もあります。動物の移動の負担も大きいです。
あとは費用面もありますね。人間家族の懐にも大きく影響します。
保険に入っていなければ相当な治療費になります。
さらには、もし食事を摂れていない子の場合、この強力な治療を乗り越えるためには、チューブによる栄養摂取を提案されることもあるでしょう(ガンの場所にもよりましょうが、食道チューブや胃ろうチューブ)。
そこまでの選択は、動物自身に選択権があり、誰にも気を遣わないでよければ、まず選ばないでしょう。
それでも、まだ若い、まだ初期、まだ元気、患部が極めて小さい、転移もない、と言われたら、人間家族としては「賭けてみたい」と思ってしまっても無理もないかもしれません。
実際、激しい強い治療を乗り越えて寛解を迎える子たちもいますので、うちの子もそうなってほしいという希望を持ちたいのは当然のことと思われます。
強い治療は、親方は選択しませんが(キーちゃんは「悪性なら自然で行きます」と早々に先生に宣言したら、「まだまだできることは沢山あるからそう早まるな」と諭されました😅)、強い治療を選択する方も多いので、腫瘍界の最高峰が結集している某センターでは、放射線治療待ちの数がものすごく多いそうです。
ちなみにそのセンター、日本一の照射の正確さを誇る機械が一台あるそうです。他の大学病院にもないそうで(少なくとも今現在)、余計殺到するんでしょうね。
当然のことながら、強い治療はハイリスクハイリターンだと獣医さんはおっしゃいます。
とにかく、ダメージは相当だよってことも繰り返し繰り返し言われていました。
そのくらい、覚悟いるよ、ってことですね。
そこまで頑張らせる気があるか、と問われてもいる感じです。
では、もう少し違う治療法はないのでしょうか。
いえ、ありまする。
では次回に。