Love of Cats 猫たちからのギフト

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汰助くん、旅立ちまでの一ヶ月の奇跡

Tさんからヒーリングのご依頼をいただいたのは2月の末のことでした。
我が家の猫のヒーリングをお願いしたいと思いメールしました。
去年の7/6 に腸腺癌の摘出手術をしている13歳のスコティッシュの男の子で、最近肥大型心筋症も発覚。
術後から昔ほど食欲が戻らないので、強制給餌もしていましたが、最近元気があまりないのでお願いしたいと思いました。
 
Tさんのお宅は、9猫さん、2犬さん、2亀さん、鳥さん多数という大所帯で、なんとご職業は獣医さん!
あーなるほどー天職なんですねと咄嗟に感じましたが、Tさんのおうちの動物家族さん達の証言を知れば知るほど、本当にもう天命天職という感じなのでした。
 
ご依頼いただいた汰助(たいすけ)くんは、姿も中身もそれはそれは愛のかたまりのような、頼もしくて優しい男の子です。
 

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今日は僕の奇跡の軌跡のお話らしい

ヒーリングの当日、汰助くんはちゃんとわかっていて待っていてくれたんですが、
そんなに期待していないというか(笑)、調子が良くなるならありがとうって感じでした。
というのも、今の状況は生きる過程で仕方のないことという思いがあったからです。
歳をとるってそういうことだから、奇跡は必要ないと思っていました。
そして同居家族の楓君という猫さんが、以前瀕死の床から復活したような回復劇は、自分には無理だと教えてくれました。
(心臓は)結構しんどいんだよ。
もう戻らない、もう小さくならないよ。
それは僕が、人生を重ねて来た証なの。
それだけ年数が経ったってことなんだ。
持って来た体の限界が近づいてる。
 
いつも自分よりも他の子のことを気にかけているような子で、調子が悪い子が他にもいるのに・・・って遠慮する気持ちも伝えてきてくれました。
親方は「いいのよいいのよ、遠慮なく受けて。T姉の愛だから。ただ少しでも体が楽に過ごせるようにというT姉からの愛だからね。」と伝えると、
「T姉はみんなを平等に愛してくれる!」って教えてくれました。
信頼しているグループリーダーだそうです。
汰助くんはT姉をとても尊敬していて、「すごいんだ」ってT姉自慢が尽きないのでした。

母性愛や家族愛の強い優しい子なのが伝わってきたので、それを伝えると、

それはT姉も同じなんだよ。

なんでもござれなんだよ。

この家は天国みたい。

いろんな動物がたくさん暮らしていて天国みたいなの。


家族が大勢いるので、小さい子の面倒を見るのは、人間家族を手助けする意味もあったそうです。

そうだよ、みんなが役割分担をしなきゃって。
 
親方「なんてあったかい子だろうね」
猫ってみんなそうだよ。
親方「猫ってみんなそうなの?(知ってるけど)」
そうだよっ!

 

自分の体のことについては、

無理に生かさなくてもいいんだ。

自然に任せてね。
ただ、ありがとね。

 

もちろんTさんがいろいろしてくれることで「体が楽になるのはありがたいこと」だと感謝もしていました。

心臓はもう戻らないの。

それが生きるってことなんだ。

奇跡でなおしてもらおうとかは思わない。

それは神様に失礼だよ、順番があるのに。

奇跡は若い子にとっておこう。

優しい猫さんです。

 
こんな風に、ヒーリングしながら彼とお話ししている途中、お魚混じりのご飯みたいな匂いが漂ってきました。
汰助くんのお口周りの匂いみたいなんです。
ほんとはもっと食べられたらいいな。
T姉のためにも食べられたらいいな。
でも無理なの。
ご飯の匂いがすると食べたいなって思うんだけど、そのあと気持ち悪くなったりしちゃうこともあるんだ。
強制給餌のご飯はお肉系なんでしょうけど(キーちゃんの時のAD缶のイメージ)と思いながら聞いていたのですが、ずっとお魚の匂いがしていました。
後から伺うと、汰助くんはお魚のご飯を食べていました。
 
そして、初回のヒーリングを終了した晩に、Tさんから汰助くんが缶詰争奪戦に参戦されたと嬉しいご報告が。
鳴いてせがんで、ご飯を沢山ペロリと食べてくれたそうです(涙)
 

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食べることは生きることだもーん
その後も、汰助くんのヒーリングは継続させていただきました。
 
ある時は、Tさんのエネルギーが「行かないで〜」って汰助くんにしがみついているのも見えました。
Tさんはご職業柄、且つお家での代々の子達も含め、沢山の動物たちを見送って来られたご経験もあり、プロとして、症状や身体の様子などから、今の状況がどういう局面かというのも把握することができますので、とても冷静に覚悟をされていらっしゃいました。
それでもやはり、Tさんの心は汰助くんをとても愛しているので、「まだ行かないで」ってしがみついていたのです。
大好きなんですもん、一分一秒でも長く一緒にいたいって思うのは当たり前ですよね😢
 
そして汰助くんも、もちろんそれに応えようとして頑張っていました。
ただ彼は生きるのに精一杯で、そして極めて自然体なので、人間が感じる思いとは少し違う感じです。
ありのままでいることを猫は教えているのだ、とも伝えてきてくれました。
 
獣医さんですので、何かあればすぐさまケアをしてもらえます。
色々とケアしてくれることについてもとてもありがとうと思っていて、そのことによって「自分がとても大事にされているのがわかって嬉しい」とも言っていました。
 
ただ、彼の体は弱ってきていたので、きついお薬はだんだん負担がかかるようになっていたようです。
でも僕の体はT姉に預けているよ。
生きている間は一緒にいたいので、僕は頑張っている。
一緒にいる時間は大事だよ。

 

Tさんは素晴らしい獣医さんで、西洋医療はもちろんですが、自然の力のケアも取り入れていらっしゃって、彼の体に強いお薬が負担になっていることに気づかれると、強いお薬の投与はやめる選択をされました(必要最低限の処置と自然療法に切り替えられました)。

獣医さんとしてはとても勇気がいる選択だったと思いますが、汰助くんに一番良かれと思われることをいつも選択されてきたTさんです。

僕はこのうちに生まれて(生後二ヶ月でやって来たのですが、汰助くんにとってはこのうちで生まれ育ったと言う感覚)、本当に良かったんだ。
ありがとう、ありがとう。
「汰助くんのお家は愛に満ちてるんだね〜」と言ったら、
愛と安らぎ。
そして「安らぎ=静か」ということではないと。
大勢の家族が普通に生活を送っているのを高いところから眺めているイメージで、
その賑やかな家族模様を眺めているのが嬉しく、安らげていたそうです。
小競り合いとかちょっとしたことはあったほうがいいんだよ。
それが生きる面白さ、人生の面白さ。
 
汰助くんはその間何度か発作に襲われました。そういう時はヒーリングの間隔も詰めました。
ですが、獣医さんであるTさんから見ても、もうダメかなと思われる程の状況から、その度ごとに復活してくれました。
汰助くんの場合は、強いお薬で即対応しないことにより、彼の動物としての、生き物としての本来の強さが、惜しみなく発揮されたようでもありました。
T姉、悲しまないで。
お姉ちゃんはいっぱい病気を見てきてるから大丈夫だと思うけど。
それがお姉ちゃんの役割。
お姉ちゃんが選んできた。
それを伝えて。
 
汰助くんはT姉のことも、父のような愛で気にかけていらっしゃいました。
感謝していることは、言わなくても通じるよね。
生きようとしてる僕を見たら、生を惜しんでるのが分かるよね。
僕もこうして覚悟をする準備を少しずつしてるんだよ。
 
彼が頑張っているのは、人間家族の心の準備の為だけではなく、自分にとっても旅立ち(愛しいものたちとの別れ)に向けての準備の時間だと語ってくれました。
汰助くんには自分の子供たちがいますが、それ以外の子供もみんな自分の子のように愛していましたので、家族みんなとのお別れを惜しむ思いがありました。
僕が今気にかかってるのは、一緒にいるみんなのことだよ。
今いる子たちと肉体で会えているのは、今しかない。
 
手でポンってTさんの手に触っている姿を見せて、
こうして触れるのも、(Tさんの)お母さんにくっついて温もりを感じられるのも、生きているうちだから。
匂いを嗅ぐのもご飯を食べるのも、
生きている時にできることを、僕は最後の最後までやりきる。
 
そして彼はみんなを守ってきたことや、生きるために毅然と頑張っている姿を誇りに思っていました。
僕はちゃんと(みんなの)お手本としてできてたかな。
僕は満足だよ。
ここまでしてくれてありがとう。
(思いを傾けていてくれるその気持ちに応えられるかな〜と考えながら)
やれるとこまでやってみる。

 

そんな風に汰助くんは、だんだんと旅立ちの準備へと入っていき、最初のヒーリングからおよそ1ヶ月後の桜の咲いている時期に、側にいらしたお母様も気づかれないくらい、眠るように静かに、可愛らしすぎる肉体からそっと離れたのでした。

「春はいいね」と言っていた汰助くんの好きな季節に・・・

「どうか楽な旅立ちでありますように」という皆さんの願い通りに・・・

 

ご依頼いただいてから旅立つまでの期間は、Tさんが親方に前もってお願いしてくださったヒーリングの期間と同じでした。

まるで汰助くんの残りの人生をTさんがあらかじめ分かっていたかのような、そんな符合でした。

Tさんも私も、汰助くんが導いてくれたとしか思えない日々でしたので、汰助くん自身があらかじめ用意してくれた期間だったのでしょう。

 

汰助くんとの会話は書ききれませんが、とても大きな愛、優しさ、強さを教えていただきました。

 

汰助くんは体の状態からみても、普通ならとてもこんな風に食べられる状況ではないのに、という状況でも食べてくれていたそうですし、奥さんである咲(さく)ちゃんの14歳のお誕生日もみんなでお祝いできました。

食事がとれなくなってからも、最後の最後まで、高い場所に上れるくらいすごくしっかりされていました。

Tさんやご家族の細やかなケアと、この上ない大きな大きな愛情、そして彼と愛し愛され合った動物家族(仲間)達の存在によって、汰助くんは生きる力を最大限に発揮できたようです。

Tさんは、強いお薬をやめたことによって、旅立ちがとても穏やかであったことも喜んでいらっしゃいました。

 

種を超えて家族全てに愛され、慕われ、リーダーとして、扇の要として存在し続けた汰助くん。

次回は、そんな汰助くんから届いたメッセージを、少しだけご紹介させていただきます。

 

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種を超え

 

 

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愛し

 

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愛され続ける



 

  

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