キーちゃんと違うのは、キーちゃんは家の中の生活音全てが怖かったですが、ネオは人の家の周り=生活音の近くでも暮らしていたので、テレビも洗濯機もレンジもポットも、何が鳴ってもそれでいちいち驚くことはなく、慣れている感じでした。
おぉ、なんかおっとな〜。
そして幸いなことに「ご飯命」だったので、ご飯は足の間であげるようにし、ご飯食べてる時に触る作戦で、背中を撫でることは1週間くらいでできたかな。
でもネオは、キーちゃんがシャーシャー息子に豹変した時の比じゃない怖がりさんだったんです!
同僚のお姉さんにも「親方のところにはスーパーな子が来るわね」って笑われるくらい(キーちゃんは病気がスーパー。ねちゃんは怖がりがスーパー)。
ネオにはスーパースイッチが入る「尋常でない恐怖」がありました。
それは人間がご飯を食べようとすることです。
自分のご飯のお皿は大丈夫ですが、「さ、じゃあ次は私の番」ってコップひとつ持っただけでも一瞬で消えます。いや、持とうとしただけで消えます。
2年くらいは「ではご飯にします」って気配だけですっ飛んで消えてました。
ネオにご飯をあげる時、ネオのサーモンをピンハネして口をもぐもぐしているだけでもすっ飛んで消えました。
台所に立つのもダメです(ネオのご飯の支度以外)。
テーブルに座ろうとする気配だけでダメです。
でも今は台所でご飯の支度をしているのは大丈夫になりましたし、口をもぐもぐさせているのも大丈夫。
すっ飛んで逃げる逃げ方もゆっくり目になりました。
まあこの件はちょっと特殊な事情があることがわかっていますので、ゆっくりゆっくり、生きているうちに少しでも軽減させてあげられたらと思っています。
内気なネオくんですが、キーちゃんが旅立ってから日の浅い親方にとっては、キーちゃんと真逆のタイプの子が来てくれたのは、なんだか良かったです。
キーちゃんに似てる子だったらキーちゃんをいちいち重ねてしまうかもしれないし、それではどっちにも悪いと思っちゃったかも。
ネオとは、なんか傷ついた者同士、「ゆっくり一緒に癒えていこうや」ってな感じでした。
可愛い茶トラの猫がまたうちで眠ってくれている。それも静かに眠っている。
・・・猫がいるのに轟音が聞こえないことはものすごく新鮮でした。
猫が寝てるのに寝息が全く聞こえないんですよ!ものすごい違和感でした(笑)。
キーちゃんとの暮らしは常に息を吸う時の凄まじいスターター(鼻づまり音)が聞こえていたので、この静寂は幸せな衝撃でした。
そしてもう一つ、ネオのお鼻が濡れていることも新鮮な幸せでした。
キーちゃんは病気になってからお鼻は濡れなくなったので、「濡れた猫の鼻久しぶり〜」って感じ。あー濡れている、この子は病気じゃないってねって、ついつい触って確認してました。
そんなネオですが、2ヶ半月くらい経ってからでしたでしょうか、当時ネオを唯一撫でられた場所(ご飯が欲しい時に座るネオの定番の場所=キーちゃんの刺身箱の横)で撫でてたら、なんか小さな小さな異音が聞こえて来たんです。
「ぐ〜・・・ぐふ〜・・・」
ン? なんだこれ、そういえばこの間も聞こえた・・・まさかのもしや❗って思って、そっと耳を近づけてみると(極めてそっとしないと、頭ががさっと近づいたら逃げます笑)、やっぱりそれはネオのゴロゴロ音だったんです!
チーさなチーさなゴロゴロ音でしたけど、紛れもないゴロゴロ音!
感動でした。
そのうちネオのゴロゴロ音はすっごく大きな音になりましたよ。
ゴロゴロ音て、恐怖や遠慮が消えると音量大きくなるのがわかりました(笑)。
キーちゃんはポリープが詰まってからはもうゴロゴロ音が響かなかったんですが(ポリープが除去できるとゴロゴロ復活)、もともとそんなにゴロつかない猫ではありました。
でもネオはなんとゴロゴロ奏者だったんです!
それから、ネオが初めてお鼻チュッチュに来てくれた時も感激しました。
意を決したようにお鼻チュンコしにきて、ものすごく恥ずかしそうに大急ぎでぴょんって逃げたの!
怒涛の可愛さ!
しかも濡れたお鼻〜♪
あ、ご飯くださいのチュンコです。
そういうところから普通は一気に甘えっ子解禁になったりしがちですけど、いえいえどうして、ネオはそんな簡単な男ではありません。
人が立ってたら怖いし、人に座られても怖いし、ちょっと近づいたらちょっと下がるし、ついついカシャぶんで誘われて居間の広いスペースに出ちゃおうものなら、大慌てでソファーの下とか爪とぎベッドの上とか、自分の安全地帯まで戻りました。
ネオはくらふと工房のこの爪とぎベットが最高のお気に入り。
初めてのものは怖いネオですが、このベッドだけは即乗りましたし、そこを今でも安全地帯としています。
くらふと工房でも他の形のものは慣れるまで時間がすっごくかかるんですけど、この形は即OKなんです。3個持ってます。
親方が帰って来たら、今お迎えしてくれる場所もそこです。
玄関までなんて来やしませんよ、玄関前の廊下まで行ったことだって数える程しかないんですから。
居間の真ん中に置いてあるこのベッドの上に、押入れとか寝ていた場所からドサってそこに下りて来る。
そしてそこでコロンコロンしながら待つんです。
で、ベッドの横の甘えっ子コーナーにに親方が座ると、「フグー」って鳴きながら一目散に足にくっつきに来ます。
ひ〜かわええ〜。
それでも廊下で会えば逃げますよ笑
ネオとの暮らしは一歩一歩が全てゆっくりで、それは今でも同じです。
内気だからこそ、この一歩ができた時の嬉しさ。
内気だからこそ親方オンリー。
この性格のなんという愛おしさよ。
そんなネオと初めてあーちゃんが話してくれたのは、ネオがうちに来てから3ヶ月目のことでした。
↓くらふと工房クレアルさんはお気に入り。
こちらで岩津家のえみはなさんが使っている爪とぎは、次世代に受け継がれています。
↓カシャぶん