キーちゃんが胃ろう生活になってから、帰宅後の時間をできるだけキーちゃんに割けるよう、親方は職場で夕方そそくさと夕ご飯を食べてから帰宅していました。
その晩もキーちゃんの胃ろうを終え、親方はお風呂も上がり、いつものようにヒーターの前でキーちゃんを足の間に挟み、仲良しタイムをしていました。
すると突然キーちゃんが伸び上がって、親方の顔にこっつんこをしたかと思うと、その後苦しみながら横たわり、寝たままの姿勢で嘔吐しました。
その後よたよたと歩き出し、ヨダレを流しながら、爪研ぎ奥のスペースに倒れ、爪とぎに寄りかかりながら、「ア…ア…ア」と小さく喘ぎながら息ができなくなりました。
顔色がみるみる青ざめて行きました。
猫の顔色ってあるんですよね。
S専門医が「キーちゃんは来た時と違い顔色も良くなり・・・」という表現をした時、2匹の猫飼いさんでもあるワカネーノさんが「猫に顔色?」ってびっくりしていましたけど、S先生と二人で「顔色ありますよねー!!」って力説したのを覚えています。
毛もじゃのお顔でも、明らかに「顔色」の良い悪いはわかるものです。
で、この時のキーちゃんの顔色は、本当に青ざめて行きました。
親方は、これが今生の別れになるのかとドキッとしましたが、キーちゃんを見送る覚悟でキーちゃんに話しかけていました。
ところが1時間くらいすると、キーちゃんは落ち着いて来て、やおら立ち上がると自分のベッドにスタスタと歩いていき、「爺、早く寝ますよ」ってさっさとベッドに丸くなりました。
はーっ、もうびっくりするやら安心するやらです(涙)。
翌日も心配している親方でしたが、前夜の影響からの弱りは見受けられるものの、まず朝ご飯は胃に収まり戻すことなく一安心。
なんと夜は、何週間かぶりにテーブルに乗って、台所のカウンターまでやってきました!
我が家ではテーブルはキーちゃんの通り道なのです。
なんと嬉しい行動。お腹すいたの証なのです。
その翌日の3/12、朝の胃ろうは入ったものの、夜の胃ろうを少ししてやっぱり戻してしまいました(量を減らして少しずつあげてはいたのですが)。
キーちゃんは、前夜に自分が戻した枕カバーや布類を親方が洗濯していたのを見ていたので(全然問題ないよ〜って言って片付けていたのですが)、この時は急いで起き上がって絨毯の外の床の上まで出てきてから戻しました。
もともと余裕がある時は、気持ち悪い時はトイレで戻していたキーちゃんですが、今は突然に吐き気が訪れるみたいで間に合わないんです。
その後も戻す時は急いで立ち上がって、布類が何もない床の上で戻していました。
健気すぎて泣ける・・・
その翌日の13日の金曜日(言うことが昭和・笑)。
朝の胃ろうも戻しました。
これはもう・・・胃が受け入れなくなってきている状態が始まっているのではと思いつつも、一方では「お薬が入らないとますます咳が苦しくなってしまう」って心配が募りました。
そしてY主治医に相談に行き、まず水曜日に呼吸困難を起こしたことも報告しました。
横たわって嘔吐したから気管にご飯が詰まっちゃったんだよねって。
「そういう時はこれからはきびちゃんを逆さに持って背中を叩けば治ります」って言われました。
えー!!!そんなことできない〜(涙)と弱気な親方に対し、でも叩かないと死んじゃうからって。
は、はい、と心で泣く親方。
でも、嘔吐物を詰まらせたのではなくって、心臓の発作だったかもしれないとも思ってます。
とにかく胃炎を起こしているかもしれないから、今日はご飯を胃に入れるのやめて、明日また少しご飯を入れてみて〜と胃薬を処方されました。
先生の反応が親方の心配より軽いので、そんなものかなと不安を払拭できるような処方。
でも、14日。
朝の胃ろうを少しにしてもやっぱり戻しちゃいました。もうご飯を受け付けなくなってきていますよね・・・(涙)。
それでもお刺身はとっても食べたがってくれましたし、ちょっとだけベランダに出たりしました。
夜のご飯は少しにしてもやっぱり入らない(涙)。
夜中はお水とバランスアルファだけにしました。
胃ろうをしていなければ、おそらく食欲廃絶の時期に入ったことでしょう。
ここがね、胃ろうの難しいところだと、後で思い返しましたよ。
終わってみればって話です。
その時は常に全力投球、無我夢中、全身全霊、一球入魂(なんやらわからん)なワケで。