S専門医のことは、我々周辺では「ゴッドハンド」と呼んでいました。
そしていつのまにか「神」と呼ぶようになりました(笑)
最初の手術の退院の時、午前中の他の人の診療が終わってからいろいろな説明を受けたので、待っている間に他の患者さんと会いました。
治療中なのは小型犬ちゃんで、どの病院にいっても見放されたけど、この先生だけは助けてくれた、最後のよすがだったと仰っていました。「今は通院だけになったの!」って、わんちゃんも元気そうでした。
二人で「そうそう、神ですよね〜!」って盛り上がってたら、奥様である看護師さんが「アハハハハ、神ではないんだけどね!」って笑い飛ばしてました。
ま、でもその位に思える訳です。
そしてその神に、再びキーちゃんを全託です。
キーちゃんが病院に舞い戻った時、奥様に言われました。
「再発しないで〜、戻ってこないで〜って毎日祈ってたんだけどね」って。
私も祈ってたんですけどね〜(涙)
キーちゃんはロビーで待っている間も、勝手知ったるというようなゆったりとした風情でキャリーで体をなめてくつろいでいましたけど、もう何度もお世話になっている運転手ワカクネーノさんがキャリーを覗いたら、「シャアアッ! 近いっ!」って怒ってました(笑)
久々にキーちゃんのシャーを聞きました。
キー様、お世話になっといて失礼ですけど・・・
S専門医も奥様も、まず何よりもキーちゃんがすごく毛並みも良くなり立派な体で戻ったのでびっくりしたと口々に仰いました(体重は4キロを超えてましたし、前回がいかに悲惨だったかがわかりますね)。
再手術の方針としては、今までの引き抜きだけでは再発してしまった為、引き抜いた跡にアルゴンプラズマ凝固(APC)を試みることを告げられました。
なんですか、それ。
レーザーみたいなものなんですけど、装置の原理はまったく違い、光線ではなく高周波電流を照射し組織を凝固していきます。
詳細は省きますがレーザーより焼き過ぎを防ぎ、安全性が高いそうです。
先生は犬さんのガンなどにも何度もこちらを使われ、長期QOLを実現されてきたそうですが、猫さんの鼻はなんせ細いし、とにかく猫さんの治療に使うことは初めてだそうで、おそらく猫界で世界初の治療だそうです。
今までの犬さんの経験から術後の痛みは相当だそうですが(涙)、その後組織が剥がれ落ちた後はとってもとっても楽になるそうで、とにかくそこを目指してがんばってもらうことになりました。
神の手に委ねると決めていたものの、大変な手術になりそうで、説明を聞いた後の心痛は半端なかったですね・・・
今回は先生も準備万端だったので、お昼には手術スタートです。
がんばってキーちゃん。ひたすらお祈り。
夕方に一度先生が下りてこられ、親玉と思われる箇所を見つけ、そこからうずら大のポリープを取ったことなども話されました。う、うずら大とは!
これだけの期間でここまで大きなものが育っていることに先生も神妙な顔つき。こちらの不安は募りますが、今回は気管切開なしでしてくださったことは明るいニュースでした。
というのも、気管の傷がくっついたばかりだったので、再度同じところを開くのには早すぎるという判断と、前回不明だった術後の呼吸の確保も見通しがあったからかと思います。
そしてながーい手術が終わったのが9時頃でしたっけね。
何しろ、一つポリープを引き抜いたら、一回ごとにあの小さな患部の中で内視鏡とAPCを入れ替えてはそこを焼く、というこまっかい技を駆使されたそうで、前回以上の長時間手術となりました(ボボボボーって一気に引き抜いて、ババババーって全体を焼くんじゃだめなんでしょうかね、だめなんでしょうね、そういう人は研究医にならないんでしょうね)。
とにかくひとまず無事成功!
神!ありがとうございます!
今回は輸血もなしでした。
キーちゃんに会う前に、とれたポリープを見たり説明を受けました。今回もまた大量に収穫が。
そして親玉らしいという付近の物は、皆がびっくりするくらいの大きさ。悪変してないか、また組織検査に出すそうです。
術後の麻酔は一度は醒めたのですが、親方がキーちゃんに会えたときはもう疲れ切って寝てました。11時近かったかな。
酸素室のガラスにお顔をくっつけて、腰だけ上げて半分瞬膜出して寝ていてね。寝落ちしたって風情です。
その姿がユーモラスで、思わず一同が笑顔になった程の可愛らしさでしたよ。
この日は泊まっても仕方ないのでキーちゃんとは交流できずに病院を後にしました。
翌日も手術があるそうで面会できず、翌々日は休診日で行けず。中二日も会えないなんて。ハラハラ・・・
↑ あっら〜キーさまに怒られちゃう、アゴニキビ時代の写真ですね・・・